素人志向

備忘録

ぬるぽが的ゲームレビュー #3 Titanfall2(2016)

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さいころ、それこそ小学校3年生くらいまでは、現実性を考慮しないような夢を沢山持っていた。

 

それは「ソーセージをお腹いっぱいに食べてみたい」というような、今でこそ30分もあれば実現できそうな小さな夢も勿論あった。ただ、「ロボットに乗ってみたい」「空を飛びたい」「サブマシンガンを撃ってみたい」というような、普通に生きている間には実現が難しそうな大きな夢も持っていたようにも思う。

20年近く前のことだから、はっきりと覚えているわけではない。

ただ、いま25歳となって「小さいころ持っていた夢とは?」と自問したときに、頭に浮かんだのがこれらの夢なら、強く夢として持っていたに違いない。断定はできないが、この記事を読んでいる方々の中にも同じような夢を持っていた人は多分いると思う。

 

幾つかの夢は、そう遅くはないタイミングでアーケードゲームが叶えてくれた。今は電器屋と化してしまった施設に入っていた商業施設の地下にあったゲームコーナーで幼少の自分は夢を叶えた。

100円玉硬貨をシューターに入れ、小さい子供には恐怖にすら感じるレベルの銃声がスピーカーから鳴り響いている中、両手いっぱいの小さな手でやっと持つことが出来るサブマシンガンで敵を倒していって、ひとつ夢を叶えた。

ナムコの「クライシスゾーン」というゲームだった。今となっては都内ですら見かけないゲームで、それ以降一度もプレイしていないが、ゲームそのものの印象は強く残っている。僕の夢を叶えるのは「ドラえもん」ではなく、「ナムコ」だったために、
拗れたオタクになってしまったのはまた別の話だが。


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この作品以外にも、夢を叶えてくれるゲームは数多くあった。

アーケードゲームではないが、空を飛ぶなら「エースコンバット4」、ロボットに乗るならPS2の「機動戦士ガンダム連邦vsジオンDX」だったり、「アーマードコア3」だってあった。当時からにわかゲーマーだったから、やりこんだ記憶は一切無いが、現実では叶えようのない夢たちが100%ではないにしろ多く叶えられていった。

当時では美麗で躍動感のあるグラフィックと、迫力があるあまり恐怖すら感じるくらいのBGMや効果音と共に。

 

現実と向き合う時間が足音を立てずに近づいてきて、実現したかった夢たちは遠いところに行ってしまった。受験、進路、就活、社会人生活みたいなものに飲み込まれたり。追いやられてしまった。

昔オンラインゲームやチャットで馬鹿騒ぎした仲間たちもそれぞれの苦悩や幸せと対面している。新しい生活をするやつもいれば今まで通りのやつもいたりする。

そうやって小さな夢を忘れかけた25歳のとある夏、「Apex Legends」という地獄のゲームをプレイしている時に、チームメイトがふと自分に問いかけてきたのだった。

「お前はTitanfall2をプレイしたのか?」

プレイをしていないと返事をすると一瞬の間が空いた後、彼らは聴いたことのないような声色で「是非やってほしい」と言って、その後いつも通り淡々と敵をキルしていった。

 

EA Playという定額でEAのゲームが遊び放題のサブスクに入っていたため、その日のApexが終わったあと、早速Titanfall2をインストールし、そのまま一人プレイ用のキャンペーンを始めた。

FPSというと、Apex LegendsやVALORANT、CS:GOのようなマルチプレイ前提のモードしかないとイメージしがちだが、一人プレイ用のモード(キャンペーン)が収録されているゲームも多い。

このゲームのストーリーは、宇宙での戦争みたいなのに参加してひとりの兵士としてどかーんばんばんびゅーんとするストーリーである。細かい事を書くとこんなものではないのだが、俺は知っている。こういうところで細かく書いたところで、あまり理解できないことを。

まあなんだ、雑に言うと良く分からん惑星で敵をテンポよくばんばん倒すゲームなのだが、「テンポ良くばんばん倒す」という部分が非常に良くできているゲームであると、プレイを初めて10分くらいで感じるくらいには良く出来ているゲームであった。

 

つまるところ、Titanfall2は幼少の頃に持っていた小さな夢たちを、全て疑似的な体験として改めて僕に提供してくれた。

憧れていたサブマシンガンで銃で敵を撃ち、空を飛び、壁を走り、相方のロボットと共に敵のロボットや兵士を破壊する。そういった類のものを、この世に生を享けて25年経った今、この24インチのゲーミングモニタを通してではあるが叶えさせてくれた作品となった。

広大なフィールドにある壁を走ることが出来る「ウォールラン」をはじめ、敵の前で透明になるものや現代と過去を行き来することが出来る装置などを使い、広大なフィールドを駆け巡り、敵をかっこいい銃で倒していく。

ああ!なんと素晴らしいことか。細かい部分で見ると、他の作品で実現できることや寧ろ上回っている部分はあるにしろ、これらの要素をまとめあげ、更にストレスフリーな操作感とゲームスピードでプレイできる作品はそうそう無いように思う。

銃を撃つ感覚や敵を倒した際のエフェクトや音など、現状”私”がプレイしたFPS作品ではNo1といっていいくらいに爽快感が抜群である。
2016年の作品ではあるが、古典的FPSゲームのエッセンスを引き継いでいる作品でもあるのも特徴的だ。様々な武器や機能はあるにしろ、本質的な部分には「多くの敵を自分の銃で倒し、ステージを進んでいく」という要素が根本にしっかりとあるため、「何か良く分からないゲームになってきたな」という違和感を感じることは、自分に関しては無かった。序盤からエンディングまで、あくまでも「(人やタイタン)の銃で敵を倒す」という快感が続くのである。

お気に入りの武器で、敵をなぎ倒していく快感を楽しむという、FPSプレイヤーが一番楽しさを覚えているであろう部分を容赦なく味わうことが出来るわけだ。

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右のロボットがタイタン。このタイタンに乗って兵士や相手のタイタンとバトルする。かっこいい!

 

ゲームプレイの爽快感のみならず、ストーリーも良くできている作品だ。簡潔に言うと王道ストーリーではある。

ただ、言葉を話す相棒の「BT」と言われるタイタン(ロボット)と共に、二人で様々な会話をしながら戦場を駆け巡り、数多の敵や強敵に立ち向かっていく中で信頼関係を築き...という内容はいくらベタとは言えど、高揚感をプレイヤーに与えるには十分だ。幼少の頃に遊園地やデパートの屋上で見た戦隊モノのショーをよりドラマチックにしたようなものであるため、ゲームプレイングに影響するような変な心配をすることが無いというのも大きい。

詳細なストーリーなどは他の偉大なる方々のレビューや、可能であれば是非プレイして確認して頂きたい...

 

特にApex Legendsプレイヤーにはプレイしてほしい。

Apex Legendsの元ネタだけあって、作中に出てくる武器や基本的な操作感などはほぼ同一であるため、未プレイでも十分に楽しいとは思うが、さらにストレスフリーでプレイすることが可能だと思っている。

Apex Legendsには、自分が絶世の金髪ショートボブ貧乳スレンダー美女よりも100倍好きな武器「R-99」という武器があるが、それのルーツであろう「R-97」や、「オルタネーター」「R-201」などApexにドハマりしている君らならテンションがアゲアゲになる武器も多くある。パスファインダーみたいなやつもいる。やれ。やってくださいじゃなくて、やれ。お願いします。マジで。楽しいよ。

 

ゲーマーと名乗れるほどではないが、久しぶりに「ゲームっていいな」と思える、自分の中にある最高の作品のひとつとなった。非FPSプレイヤーであっても、このゲームをFPSの入門として楽しむことは十二分に可能なはずだ。

何度死んでも、何度やり直しても、味方や敵から暴言が飛んでくることはない。自分のペースで進めることが出来るのも大きなポイントだと感じる。(そういう点では別にTitanfall2でなくてもいいってのは理解しているが)

FPSは"First-person shooter"の略である。「自分自身の視点」で銃を撃って敵を倒したりするゲームのカテゴリであり、「自分自身の視点で銃を撃てる」というロマンや夢を味わえることが大きな魅力であると自分は思っている。

オンラインプレイ全盛期である現在では、そのロマンよりも「対人の敵を倒す」という部分が先行している風にも思えなくもない。対人が悪いとは言っておらず、まず根本にある部分を満喫するのも良いんじゃなかろうかと思っているだけだ。

 

Titanfall2という作品は、「自分自身の視点で銃を撃てる」というロマンや夢を味わうことに集中できるものだったことは間違いなく言える。

語彙力や文章力がないため、正直このゲームの素晴らしさを満足に伝えられるものには仕上がらなかった。是非この素晴らしさはあなたが実際にプレイをして感じ取ってほしいと思う次第である。


さあ、あなたも是非Titanfall2の世界へ。

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このゲームにはキャンペーンだけではなく、(色々問題はあるようだが)マルチプレイも勿論ある。異次元のプレイングを見せる”パイロット”達が今日も元気にフィールドを駆け巡っている訳だが。
機会があればその点についても書けたらとは思うが、日本鯖つながらなくね?オレゴンならいけんのかな。教えて先輩パイロットたち。