泰葉 フライデー・チャイナタウン [Yasuha - Flyday Chinatown]
この楽曲のフライデーはFlydayであって、金曜日ではないらしい。意味は掛けているんだろうけど。
泰葉の「フライデー・チャイナタウン」の歌詞に「港が見える場所で 何か飲みたいのよ」という歌詞が出てくる。
何故だかしらんが、どうもこの歌詞が引っ掛かって仕方がないのだ。
この曲の歌詞は、横浜中華街をデートしている情景を歌った楽曲と解釈している。
恐らく「港が見える場所で 何か飲みたいのよ」というのも、どこかお洒落な中華料理屋か何か知らないが、そういうとこでジャスミンティーでも飲みたいという意なのだと思う。
が、僕の頭の中では「港を見ながら何か飲んだら美味しいのかもしれない」という考えで頭がいっぱいになってしまった。
そうと決まれば港に行くしかない。職場から横浜に行くのはめんどくさい。
「東京湾の方に行けば港はあるだろう…!」
そんな楽観的な思考に支配され、退勤後に大崎駅のりんかい線ホームへと向かった。
想像しているような港があるかわからないのに。
地獄か天国か。「りんかい線」とあるくらいだから海に行く電車のはず。そうだ。
新木場だって海が見える。おそらくそれっぽいところに連れてってくれるだろう。
京急とは関係ないけど、電車に乗るとこれが聞きたくなる。
熱帯夜の下で
「港が見えたら何を飲もうかな。駅の近くでビールでも買ってまったり飲もうかな」と呑気なことを考えていたが、どこで降りれば港が近いのか知らなかった。
電車に揺られていたら、「品川シーサイド」という駅に着いたと機械の女性がアナウンスしてくれた。名前が海っぽいし、港が見えそうだから降りてみることにしよう。
なお、「シーサイド」と「港」という言葉には何の因果関係も無いと気づいたのは、この文章を書いている時だった。
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品川シーサイド駅で下車。
さぁ港を目指そう、港で何かを飲みたいのだ。
5分くらい歩くと橋が見えてきた。Google Mapで確認すると、この橋を越えた先に港があるみたい。ふむ。
人通りは少なく、トラックしか通らない道をひたすらに進む。
数分歩くと灯りが見えてくる。やった!俺の勘は間違っていなかった。
しかし見えたのは良いものの、あまり雰囲気が出ない。
というのも港というくらいだから海が見えなければ雰囲気が出ない!
海が見えるところまで行くか...
そこからはひたすら歩いた。高く積まれたコンテナを横目に、夏の陽射しを受けてすくすくと育った雑草と、よくわからない虫たちと一緒にお散歩をする。
「ここはそういうところじゃねーぞ」と伝えんばかりに、トラックが高速で横を駆けていく。虫たちが何か鳴いて励ましてくれた。
歩けど歩けど海は見えない。飲み物も買えていない。
こんなに自販機が少なくて店も無いとは思わなかった。
写真の奥の方までずっと歩いた。距離としてはそこまでないかも。ただ洒落た雰囲気でまったり飲むこととのギャップに苦しめられた。
数キロで割としんどくなってきたが、戦時中の「パターン死の行進」の絶望感とかヤバそうだなと思ったり思わなかったり。
こんな風景がずっと続く。味はあるが、まったり何か飲むという気分にはならない。
味はあるんだけどね。
喉が渇いた。かなり暑い夜だったと思う。
こんなところで熱中症で倒れたりしたら発見も遅れそうだ...
なんとか道中にあった寂れた自販機でコーラを買った。水やアクエリアス等は売り切れていたが、コーラは残っていた。普段よりおいしいコーラだった。しゅわしゅわ~
今回一番印象的だった風景。どうやってこんなに積んでいるんだ?普段じゃ中々目にすることが出来ない気がして、ちょっぴり嬉しかった。
帰路
流石に疲れたので、大井町とかそっちの方向に戻ることにした。
来た道と同じ方角に向かえば京急とぶち当たるからだ。
灯りが見えてきたときは心底安心した。写真は大井競馬場前のマンション。
マンションの上に広告があってビックリ。
歩いてたら松屋があったので、牛丼とビールを飲んで帰った。
その日はよく眠れた気がする。あんまり覚えていない。
まぁ非常に疲れた・謎の虚無感を感じる散歩だったけど、案外悪くなかったようにも思える。何というか日頃の物流を支える人達の仕事を垣間見たところもある。
ヤマトの物流センター?結構遅い時間帯だったが、かなりの人が忙しそうにしていた。マジで感謝
話は戻るが、僕の「港が見える場所で何かを飲む」という作戦第一弾は見事に失敗した。
もう素直に山下公園とか港が見える丘公園?とかに行ったほうが良い気がする。そうします。
イチャイチャカップルを横目に飲む酒ってのも、中々趣があって良い。
カップルと海は何かよく似あうよね。風景をつくる一つのパーツとして、そこらへんでイチャイチャしておいてください。応援しています。
俺の夏おわった... 楽しかったのでよしとする。
東京の空は明るい